■協力者が「受刑者たちは無実」

 また議論を呼んでいるおとり捜査の一つは、「フォートディクス・ファイブ(Fort Dix Five)」事件だ。米ニュージャージー(New Jersey)州フォートディクス陸軍基地への攻撃を計画していたとして、イスラム過激派とされた容疑者数人が2007年に逮捕された。

 このグループの元いたメンバー6人のうち5人は、殺害を共謀した罪で有罪判決を受け、3人のアルバニア人兄弟を含む4人の判決は終身刑だった。

 メンバーは逮捕されるまでの1年半の間、当局の監視下に置かれていた。きっかけとなったのは、休暇中に人里離れた場所で「神は偉大なり」とアラビア語で叫びながら発砲する自分たちの動画を作成したことだった。

 FBIを批判する声は、FBIの情報提供者たちがメンバーたちに行動を促したと非難している。

 情報提供者として関わったエジプト出身のマフムード・オマル(Mahmoud Omar)氏は、アルバニア人のデュカス兄弟の無実を主張している。オマル氏は6月、調査報道サイト「ジ・インターセプト(The Intercept)」に対し「デュカス兄弟がなぜ刑務所にいるのか、今も分からない」と話した。

 FBIでは覆面の情報提供者を使うことによって、詐欺やプライバシーの侵害が生じる恐れや、信頼性や動機に問題のある人物が捜査に関わる可能性があることを認識している。しかし、情報提供者の利用は「合法で、多くの場合、不可欠なもの」だと裁判所も認めていると主張している。

 専門家によれば、米国で過激思想への傾倒が疑われるのは、自尊心が低く、インターネット上で自己の存在理由を探している若者に多いという。(c)AFP/Sébastien BLANC