【11月20日 AFP】米下院は19日、難民審査が厳格化されるまでシリアとイラクからの難民受け入れを凍結する法案を可決した。これに対してはフランス・パリ(Paris)の同時テロを受けて排外主義に屈したものだと非難する声もでている。

 同法案の採決は、米議会がパリ同時テロへの反応を初めて示す機会となり、結果、法案は賛成289、反対137の大差で可決された。民主党議員も50人近くが賛成票を投じており、難民受け入れを表明しているバラク・オバマ(Barack Obama)大統領に造反するかたちとなった。

 野党・共和党が提出した法案は、イラクとシリア難民の審査過程で難民一人一人について身元調査を実施。さらに米連邦捜査局(FBI)長官、国土安全保障省(DHS)長官、国家情報長官(Director of National Intelligence)の3人に国家の安全の脅威とはならないと保証されなければ、米国への入国を認めないとしている。

 だが民主党側は、そのような措置はイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」など過激派グループらの阻止に集中すべき各長官にとって悪夢の業務となるだろうと主張している。

 続いて法案は上院に送られるが、採決の行方は定かではない。上院でも可決された場合はオバマ大統領が拒否権を行使すると、ホワイトハウス(White House)は発表している。(c)AFP