【11月18日 AFP】フランス・パリ(Paris)で13日に発生した連続襲撃事件について、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が出した犯行声明に使われた音声の主が、イスラム教に改宗したフランス人、ファビアン・クラン(Fabien Clain)容疑者(35)と特定された。捜査関係筋が17日、明らかにした。

 同筋がAFPに語ったところによると、クラン容疑者はフランス南部トゥールーズ(Toulouse)のイスラム過激派ネットワークの古株で、後にシリアに渡ってISに加わり、現在も同国に滞在している。同容疑者は、2012年にトゥールーズでユダヤ人の子ども3人を含む7人を射殺したモハメド・メラ(Mohamed Merah)容疑者とも親しい関係にあった。

「オマル(Omar)」と名乗っているクラン容疑者は、フランスの海外領土レユニオン(Reunion)島出身で、イスラム教に改宗後、2000年代初頭に過激化。2009年にイスラム過激思想に傾倒する者らを勧誘していた罪で禁錮5年の実刑判決を受け、服役後にシリアへ渡航した。

 同容疑者は、米兵らとの戦闘に当たるイスラム過激派戦闘員をイラクに派遣するネットワークを組織した人物の一人と考えられている。

 仏紙ルモンド(Le Monde)は今年4月、パリ南郊での教会襲撃計画を扇動していたのが同容疑者だったと伝えていた。この事件は、実行犯となるはずだったアルジェリア人学生のシド・アフメド・グフラム(Sid Ahmed Ghlam)容疑者が、自分の脚を誤射したことにより未遂に終わっていた。(c)AFP