【11月18日 AFP】サッカー国際親善試合は17日、各地で行われ、英ロンドン(London)で開催されたイングランド対フランスの試合では、パリ(Paris)で13日に発生した連続襲撃事件の犠牲者を哀悼し、フランス国歌が鳴り響いた。

 ウェンブリー・スタジアム(Wembley Stadium)で行われた試合は、デレ・アリ(Dele Alli)とウェイン・ルーニー(Wayne Rooney)が得点を記録し、イングランドが2-0で勝利している。

 デービッド・キャメロン(David Cameron)英首相やウィリアム王子(Prince William)を含む7万1223人の観客は、129人が亡くなり350人以上が負傷した襲撃事件から4日後に行われた試合で、仏国歌「ラ・マルセイエーズ(La Marseillaise)」を斉唱した。

 襲撃事件でいとこを亡くしたラサナ・ディアッラ(Lassana Diarra)、襲撃を受けたコンサートホール「バタクラン(Bataclan)」に姉がいたものの無事だったアントワーヌ・グリーズマン(Antoine Griezmann)は、後半から出場している。

 イングランド・プレミアリーグのチェルシー(Chelsea)、アーセナル(Arsenal)、ポーツマス(Portsmouth FC)に所属したディアッラがピッチに現れると、ファンは温かい拍手で同選手を迎えた。

 スタジアムの外では警察の厳戒態勢が敷かれ、試合前には武装した対テロ警察がピッチサイドを巡回していた。

 なお、同日に独ハノーバー(Hanover)で予定されていたドイツ対オランダの親善試合は、独警察が爆弾による攻撃計画を示す信ぴょう性のある情報があったと発表して中止され、ベルギー対スペインの試合も中止になっている。

 13日の連続襲撃事件は、フランスとドイツが親善試合を行っていたパリのスタッド・ド・フランス(Stade de France)の外で起きた3人の自爆攻撃を皮切りに発生した。

 試合前には、「ゴッド・セーブ・ザ・クイーン(God Save the Queen、英国歌『女王陛下万歳』)」に続き、ラ・マルセイエーズが流されると、スタジアムの巨大スクリーンには仏国歌の歌詞が表示された。

 多くのイングランドのファンは会場にフランス国旗を会場に持ち込み、観客席には「フランスに祈りを」の横断幕も掲げられた。

 国歌が演奏される前には黙とうがささげられ、ウィリアム王子、フランスのディディエ・デシャン(Didier Deschamps)監督、イングランドのロイ・ホジソン(Roy Hodgson)監督、フランスサッカー連盟(FFF)のノエル・ル・グラエ(Noel Le Graet)会長、イングランドサッカー協会(FA)のグレッグ・ダイク(Greg Dyke)会長らがピッチサイドで献花を行った。(c)AFP/Tom WILLIAMS