【11月17日 AFP】米ニューヨーク大学ランゴンメディカルセンター(New York University Langone Medical Center)は16日、2001年に消火活動中の事故で顔面を激しく損傷した消防団員の男性に、史上最も複雑で広範囲にわたる顔面移植手術を実施したと発表した。

 同センターによると、医師、看護師、医療支援スタッフら計100人以上からなる医療チームが、1年あまりにわたる準備の末、8月14日から15日にかけて実施された26時間に及ぶ手術に参加したという。

 移植手術を受けたのは、米ミシシッピ(Mississippi)州セナトビア(Senatobia)出身のパトリック・ハーディソン(Patrick Hardison)さん(41)。2001年9月11日の米同時多発テロのわずか数日前、ボランティア消防団員として活動中に、顔面に広範囲のやけどを負った。

 ハーディソンさんは救助捜索活動中、燃えている民家の天井部分が体の上に崩落、顔面に重度の損傷を受け、まぶた、耳、唇、鼻の大半、頭髪、眉毛を失った。

 同センターによると、新たな顔、頭皮、耳、外耳道と、顎、頬、鼻などの骨の一部をハーディソンさんに移植するための手術を、エドアルド・ロドリゲス(Eduardo Rodriguez)医師が主導したという。

 今回の手術まで、目を完全に閉じることができなかったハーディソンさんは、新しいまぶたと、まばたきを制御する筋肉の移植を受けたと同センターは付け加えた。