【11月14日 AFP】米国防総省のスティーブ・ウォーレン(Steve Warren)報道官は13日、シリアで行った無人機攻撃により、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の処刑執行人で英国籍の「ジハーディ(聖戦士)・ジョン(Jihadi John)」ことモハメド・エムワジ(Mohammed Emwazi)容疑者(27)を殺害したことを「ほぼ確信している」と述べた。

 人質を斬首して殺害する数々のビデオにマスクをかぶって登場しているエムワジ容疑者は、ISが「事実上の首都」とするシリアのラッカ(Raqqa)で12日に実施された今回の米英合同作戦の標的だった。

 ウォーレン報道官はイラクの首都バグダッド(Baghdad)から、米国防総省に集まった記者たちに向けたインターネット会見を行い、無人機から発射されたヘルファイア(Hellfire)ミサイルが殺害した人物がエムワジ容疑者であるかどうかの検証には時間がかかるが、米政府として「ジハーディ・ジョンであることに非常に自信がある」と述べた。

 同報道官は「我々は発射した兵器が命中し、標的の人物が死亡したことは把握しており、狙い通りの標的を殺害したことをほぼ確信している。その標的こそがジハーディ・ジョンだった」、「この男は人間の顔をした獣だ。彼を殺害したことで、世界が少しはましな場所になったはずだ」と語った。

 英国のデービッド・キャメロン(David Cameron)首相は先にエムワジ容疑者について、死亡したとの情報が「まだ確定はしていない」ものの、もしも確認された場合は「ISの心臓を攻撃したようなものだ」と述べた。

 エムワジ容疑者は、米国人ジャーナリストのスティーブン・ソトロフ(Steven Sotloff)氏やジェームズ・フォーリー(James Foley)氏、米国人援助活動家のアブドゥルラーマン・カッシグ(Abdul-Rahman Kassig)氏、英国人援助活動家のデービッド・ヘインズ(David Haines)氏、アラン・へニング(Alan Henning)氏、日本人ジャーナリストの後藤健二(Kenji Goto)氏ら多くの人質の殺害ビデオに登場していた。エムワジ容疑者が最後にビデオに姿を現したのは、後藤さん殺害ビデオが公開された今年1月だった。(c)AFP/Michael Mathes/Dario Thuburn