【11月14日 AFP】イラク・クルド人自治政府のマスード・バルザニ(Massud Barzani)議長は13日、北部の要衝シンジャル(Sinjar)をイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」から「解放」したと宣言した。

 シンジャル解放作戦は、クルド人治安部隊ペシュメルガ(Peshmerga)が主導し、ISの集団虐殺や奴隷化、強姦などの標的とされてきた少数民族ヤジディー(Yazidi)教徒の部隊も参加。イラクとシリアのIS支配地域をつなぐ主要供給ルートの断絶に成功したという。

また、シリア側でもクルド人民兵組織と複数のアラブ系反政府勢力の合同部隊「シリア民主軍(Syrian Democratic Forces)」が、イラクとシリアを結ぶ供給ルート上の重要拠点の村アルホル(Al-Hol)からIS戦闘員を駆逐したと発表した。

 米軍報道官のスティーブ・ウォーレン(Steve Warren)大佐によると、シンジャル解放作戦では米軍主導の有志軍が空爆で地上部隊を支援した。250回に及ぶ爆撃で、200人以上のIS戦闘員を殺害したとしている。

 ウォーレン報道官はシンジャルについて「高速道路47号線上にあり、(ISにとって)重要な物資供給ルートとなっていた」と指摘。「シンジャル解放によって、通信網を遮断して(ISの)物資供給能力を妨げられると考えている。モスル(Mosul)解放に向けた重要な一歩だ」と述べた。(c)AFP/Abdel Hamid Zebari