【11月13日 AFP】グリーンランド北東部の巨大な氷河が、急速に崩壊して大西洋に流れ込んでおり、この影響で地球全体の海面が約50センチ上昇する恐れがあるとの研究結果が12日、発表された。

 米科学誌サイエンス(Science)に掲載された、カリフォルニア大学アーバイン校(UCI)地球システム科学部(Department of Earth System Science)の研究助手、ジェレミー・ムジノ(Jeremie Mouginot)氏が主執筆者を務めた論文によると、「Zachariae Isstrom」として知られる同氷河は、「2012年、後退が加速する新たな段階に突入」して融解速度が3倍となり、現在、年間50億トンのペースで氷河が崩壊しているという。

 同氏によると、氷河は大量の氷山を海に放出しており、この影響で今後数十年間に海面が上昇するという。

 この氷河の近くにあるもう一つの巨大氷河「Nioghalvfjerdsfjorden」も融解しているが、内陸部の丘に守られているため、北東部の氷河ほど融解速度は速くないという。

 論文によると、これら二つの氷河は、グリーンランド全体の氷床の12%を占めており、完全に崩壊した場合、地球全体の海面を1メートル以上上昇させる可能性があるという。(c)AFP