【11月13日 AFP】欧州連合(EU)首脳らは12日、前例のない規模の移民危機への対応を関係各国と協議する会合をマルタのバレッタ(Valletta)で開き、アフリカ各国に対し、協力の見返りとして援助を行っていくことで合意した。さらに、トルコを含む首脳会議の年内開催も提案。移民問題に慎重な態度を示しているアフリカとトルコに対する働き掛けを強めた。

 アフリカ首脳と協議したEU首脳らは、アフリカの貧困対策として「緊急基金」を設立し、同基金にまず18億ユーロ(約2400億円)を提供するという行動計画を承認。その一方で、アフリカ側が難色を示している、亡命申請が受け入れられなかった人々の送還の加速を決めた。

 その後EU首脳らはトルコを含む首脳会議を、できれば今月中、遅くとも年内にベルギーの首都ブリュッセル(Brussels)で開催することも発表した。

 欧州委員会(European Commission)のジャンクロード・ユンケル(Jean-Claude Juncker)委員長は、内戦が続くシリアを逃れた人を主とする220万人の難民申請者が流入しているトルコに対し、同委員会が5億ユーロ(約660億円)の資金援助を申し出るとともに、加盟各国に対しさらに25億ユーロ(約3300億円)の拠出を要請した。

 今年に入って約80万人の難民申請者が流入しているEUは、第2次世界大戦(World War II)以降最大の移民危機に直面している。移民の多くはトルコ経由で欧州入りしているが、EUは長期的な観点からこの大移動の原因がアフリカ内の問題にあると認識している。(c)AFP/Lachlan CARMICHAEL / Angus MACKINNON