【11月12日 AFP】ロシア政府は11日、核魚雷開発計画の詳細を記した機密文書が、誤って露テレビで放送されてしまった事実を認めた。

 ともに政府系のNTVと第1チャンネル(Channel One)が放映した映像には、サンクトペテルブルク(St. Petersburg)を拠点とする原子力潜水艦製造企業ルビン(Rubin)が設計した兵器システム「Status-6」の図や詳細を含む機密文書に、軍当局者が目を通す様子が写されている。

 数秒にわたってはっきりと映った文書には、潜水艦から発射される核魚雷によって「広範囲が放射能に汚染され、長期間にわたって軍事・経済活動には不適格となる」との記述があった。

 映像は、9日に黒海(Black Sea)沿岸のソチ(Sochi)で行われたウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領と軍幹部らとの会合中に撮影されたもので、10日に放映された。その後、両テレビ局は映像を削除したが、現在も複数のウェブサイトが映像から取得した画像を掲載している。

 ドミトリー・ペスコフ(Dmitry Peskov)大統領報道官は11日の記者会見で、「いくつかの極秘情報が画面に映っていたことは事実だ。よって、その後、映像は削除された」と語った。

 放送内容が厳しく統制されている両テレビ局で、この映像が放映されてしまった経緯は不明だ。(c)AFP