米で処刑された死刑囚10%が退役軍人
このニュースをシェア
■帰還兵に殺された狙撃手
戦闘を経験した米軍兵士たちが、再び一般市民の生活に適応しようとする際の困難は、クリント・イーストウッド(Clint Eastwood)監督の映画『アメリカン・スナイパー(American Sniper)』で描かれた、「米史上最強の狙撃手」と称されていた故クリス・カイル(Chris Kyle)氏の人生に表れている。カイル氏は、イラクで従軍経験があり、精神に問題を抱えた元海兵隊員のエディー・レイ・ルース(Eddie Ray Routh)受刑者に殺害された。ルース受刑者は今年2月に終身刑判決を言い渡された。
湾岸戦争(Gulf War)の退役兵、ジョン・アレン・ムハマド(John Allen Muhammad)元死刑囚は2002年10月、首都ワシントン(Washington D.C.)地域での連続狙撃事件で10人を殺害。09年に死刑が執行された。
AFPが取材した専門家の中には、心の傷となるような戦場での衝撃的な体験と、その人物が後年に起こす暴力的な行為には、必ずしも関連性はないという意見もあった。退役軍人を支援するPR企業「スカウトコムズ(ScoutComms)」のローレン・ジェンキンス(Lauren Jenkins)氏は「PTSDを患う退役軍人の暴力に関するデータによれば、飲酒や薬物乱用、他の心理的問題の方が暴力の誘因となっている」と語った。(c)AFP/Sébastien BLANC