【11月10日 AFP】ヨルダンの首都アンマン(Amman)東郊にある警察訓練施設で9日、ヨルダン人警官が銃を乱射し、指導官の米国人2人と南アフリカ人1人、ヨルダン人2人の合わせて5人が死亡した。容疑者はその場で同僚らによって射殺された。政府報道官が発表した。

 国営ペトラ通信(Petra)が伝えた政府報道官兼メディア担当相のムハンマド・モマニ(Mohammad al Momani)氏の声明によると、事件が発生したのは、アンマンから東へ30キロのムワッカル(Al-Muwaqqar)にある施設で、さらに米国人指導官2人、ヨルダン人2人が負傷した。当局は、動機を解明するための捜査を開始したという。

 事件が起きた施設は、米国主導のイラク進攻後に、イラク人の訓練のために設置され、これまでにイラクの他、パレスチナ、アフガニスタンの警官ら数万人を訓練してきた。事件を受けて米政府は懸念を表明。駐ヨルダン米大使館も襲撃を非難し、自国民に対し現場周辺に近付かないよう呼び掛けた。

 犯行に及んだとされる警官の家族に近い複数の情報筋によると、容疑者はアンワル・アブ・ゼイド(Anwar Abu Zeid)警部。匿名を条件に取材に応じたある筋はAFPに対し、容疑者はイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」などのテロ組織とは「一切関係がなかった」と語った。「家族はショックを受けており、治安部隊から事情聴取を受けている」という。 (c)AFP/Kamal Taha