【11月6日 AFP】シリア北部のマレア(Marea)で今夏に行われた戦闘で化学兵器のマスタードガスが使われたと化学兵器禁止機関(OPCW)が確認していることが5日、わかった。

 OPCWの情報筋は、北部アレッポ(Aleppo)における戦闘の激戦地となったマレアで8月21日に殺傷能力の高いマスタードガスが使用されたことを確認したと、AFPに語った。ただし、使用した組織などは確定できていないという。

 マレアでは当時、穏健派の反体制派とイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が戦闘を繰り広げていた。

 シリア反体制派と援助団体などは、8月末にマレアで数十人に化学兵器被害がみられたと伝え、国際医療支援団体「国境なき医師団(MSF)」も、マレアで民間人の一家4人の治療に当たったと発表している。また、アレッポにあるMSFの病院に収容されている患者らは、迫撃砲が自宅を直撃して爆発したあと「居間に黄色いガスが充満した」と話している。

 シリアとイラクでは、イスラム過激派の戦闘員らが化学兵器を用いているとの疑念が数か月前から強まっていた。(c)AFP/Maya Gebeily