【11月4日 AFP】スペイン・カタルーニャ（Catalonia）州の独立を支持する複数の団体は3日、FCバルセロナ（FC Barcelona）とBATEボリソフ（BATE Borisov）の欧州チャンピオンズリーグ（UEFA Champions League 2015-16）の試合で、3万本のカタルーニャ州旗を配布すると明かした。

　欧州サッカー連盟（UEFA）はこれまで、サポーターが試合で同旗を掲げたことでバルセロナに罰金を科してきており、団体側は今回の行動はこれに対する抗議だとしている。

　近年のカタルーニャ州独立を訴える大規模デモを主催しているカタルーニャ国民会議（Catalan National Assembly）のジョルディ・サンチェス（Jordi Sanchez）代表は、「われわれカタルーニャ人が、自分たちのシンボルをいつ、どこで示すかについて、指図できる者はいない」と語っている。

　複数の独立支持団体の約300人のボランティアは、4日にカンプ・ノウ（Camp Nou）で行われる試合でファンに州旗を配布し、試合で掲げるよう求めるものとみられている。

　UEFAは昨季、バルセロナがユベントス（Juventus）を破ったチャンピオンズリーグ（UEFA Champions League 2014-15）決勝で、サポーターがカタルーニャ州旗を掲げたとしてクラブに罰金3万ユーロ（約400万円）を科した。

　そして、9月に行われたバイヤー・レバークーゼン（Bayer Leverkusen）戦でも同様の行為があったとして、罰金4万ユーロ（約530万円）を科している。

　UEFAによると、カタルーニャ州旗の使用はスポーツのイベントにふさわしくない政治、イデオロギー、宗教に関するメッセージや、攻撃的、または挑発的な性質のジェスチャー、文言などの使用を禁ずる規定に反するとの見解を示している。

　これに対し、バルセロナのジョゼップ・マリア・バルトメウ（Josep Maria Bartomeu）会長は、ファンの言論の自由を侵害しているとして、UEFAに処分を取り下げるよう訴えている。

　カタルーニャ州の独立の動きは、スペインの経済危機と相まって近年急速に勢いを増している。

　スペインで最も裕福な地域であるカタルーニャ州は、独自の言語や文化を持っており、9月には州議会で独立派の政党が初めて過半数の議席を確保し、18か月以内の独立を主張している。(c)AFP