【11月3日 AFP】ドイツ東部ライプチヒ(Leipzig)の裁判所は2日、母親と共に暮らす自宅の寝室からインターネットを通じて1トン近い違法薬物を販売していた男(20)に対し、少年刑務所での禁錮7年の刑を言い渡した。取引の総額は数百万ユーロ(数億円)に上るとされる。

 被告は、氏名を「マキシミリアン・S(Maximilian S.)」とのみ公表され、メディアに「寝室の売人」の名で呼ばれている。判決を言い渡したザクセン(Saxony)州裁判所の判事は、被告が2013年末以降、「高度な犯罪活動」に手を染め、「1トン近い薬物を違法に販売した」と指摘している。

 被告は、暗号化された「ダークネット」と呼ばれる空間や通常のインターネットを通じ、大麻、エクスタシーの錠剤、コカイン、LSD、処方薬などの薬物を販売、郵送で発送していた。警察によれば、被告はこれまでに計914キロ、約400万ユーロ(約5億3000万円)相当の薬物を販売し、今年2月に逮捕された際には約300キロの薬物を所持していた。

 公判で証言した母親(48)によれば、被告は以前、「わんぱくな子」だったが、しだいに孤立していった。ガールフレンドはおらず、旅行にも一切出掛けず、寝室には2年間入らせなかったという。

 被告は、証拠隠滅のために、オランダのコンピューターサーバーとドイツ各地のIPアドレスを使用し、電子メールを暗号化して、書留郵便で薬物を発送していた。支払いは仮想通貨「ビットコイン(Bitcoin)」で受け付け、売上金は偽造した身分証明書を使って偽名で開設した銀行口座に預金していた。(c)AFP