【11月2日 AFP】米オハイオ(Ohio)州シンシナティ(Cincinnati)の動物園で生まれた絶滅危惧種スマトラサイの8歳になる雄の「ハラパン(Harapan)」が2日、繁殖を目指し、引き取り先のインドネシアに到着した。

「希望」を意味する名前のハラパンは明け方、米国からの長旅を終え、スマトラ(Sumatra)島でサイの特別保護区となっている国立公園に着いた。インドネシア林業省で生物多様性の保全を担当するある高官はAFPに対し、36時間の陸海空の旅を経て、ハラパンは「うまく適応しており」、食欲も旺盛だと語った。

 絶滅危惧種のスマトラサイは世界でわずか100頭程度しか生息していないとみられている。ハラパンは米国で飼育されていた唯一のスマトラサイだったが、つがいとなる雌がいないため、スマトラ島へ移されることが決まった。

 今後、保護区に入る前に約2週間、検疫が行われる。ハラパンの兄弟のように、スマトラ島にいる雌3頭のうちの1頭と繁殖することが期待されている。(c)AFP