【11月2日 AFP】在英の非政府組織(NGO)「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」は1日、シリアの主要反体制派組織が首都ダマスカス(Damascus)近郊にある反体制派最大の拠点で、拘束した兵士や市民らをおりに入れ、政府軍の空爆を防ぐ「人間の盾」としていると明らかにした。

 同監視団がAFPに明らかにしたところによると、首都近郊で活動する中では最も強大な反体制派組織とされる「ジャイシュ・アル・イスラム(Jaish al-Islam)」が、拘束した政府軍の兵士やアラウィ(Alawite)派の市民らを鉄のおりに閉じ込めた。

 同監視団のラミ・アブドル・ラフマン(Rami Abdel Rahman)代表によると、同組織は人々が入ったおりを「政権側の空爆を防ぐ」目的で東グータ(Eastern Ghouta)地区の広場に設置したという。

 反体制派側の報道組織「シャーム・ネットワーク(Shaam Network)」が公開した動画には、それぞれ5人前後の男女が入られたおりを積んだトラック3台が、戦火で荒れ果てた通りを走行し、その脇を子どもたちが自転車で走る様子が映っている。

 男性や女性たちはカメラにむかって東グータに空爆しないよう政府軍に懇願。また、黒い瞳をした少年はトラックのそばで「あなたたちの女性もぼくたちの女性も同じだ。僕の母さんを殺したければ、彼女らも殺すことになる」と訴えている。(c)AFP