メッツの先発右腕マット・ハービー(Matt Harvey)は8回までロイヤルズ打線を0点に抑え、9三振を奪った。しかし、逆転の王者ロイヤルズは9回にケインが四球で出塁し二塁への盗塁を決めると、エリック・ホズマー(Eric Hosmer)が左翼への適時二塁打を放ち1点差に詰め寄った。

 これでメッツのテリー・コリンズ(Terry Collins)監督が動き、ハービーを降ろして守護神のジェウリス・ファミリア(Jeurys Familia)を投入した。

 しかし、マイク・ムスタカス(Mike Moustakas)の一塁ゴロの間に三塁へ進んていたホズマーが、続くサルバドール・ペレス(Salvador Perez)の三塁ゴロの間に本塁へ突入。メッツの一塁手ルーカス・ドゥーダ(Lucas Duda)の必死の送球がそれ、ロイヤルズが同点に追いついた。

 2-2のまま迎えた12回、ロイヤルズは先頭のペレスが右翼線への安打で出塁すると、代走のジャロッド・ダイソン(Jarrod Dyson)がすぐさま二塁へ盗塁。ダイソンがアレックス・ゴードン(Alex Gordon)の内野ゴロの間に三塁へ進むと、続く代打のクリスチャン・コローン(Christian Colon)が適時打を放ちロイヤルズが勝ち越した。

 さらにパウロ・オルランド(Paulo Orlando)がメッツの二塁手ダニエル・マーフィー(Daniel Murphy)の失策で出塁すると、アルシデス・エスコバー(Alcides Escobar)の適時二塁打で追加点を挙げた。エスコバーはこれでプレーオフ通算15試合連続安打を記録している。

 そしてベン・ゾブリスト(Ben Zobrist)が敬遠され満塁となると、ケインが点差を5点に広げる走者一掃の二塁打を放った。

 ロイヤルズは、母国ドミニカ共和国で父の葬儀に参列したエディンソン・ボルケス(Edinson Volquez)が先発登板し6回を投げた。マウンドの土に父ダニエル(Daniel Volquez)さんのイニシャルを記したボルケスは、5三振を奪い、2安打5四球2失点で降板した。

 ロイヤルズが5-4で勝利したワールドシリーズ初戦で、ボルケスはダニエルさんの死を知らされずに先発登板し、6回を投げていた。降板後に訃報に接したボルケスは翌日の葬儀に参列した後、先月31日にチームに再合流していた。(c)AFP/Jim SLATER