【10月31日 AFP】指揮官の座を退くエディー・ジョーンズ(Eddie Jones)ヘッドコーチ(HC)が、一度は「取るに足らないチーム」と評した日本代表がW杯イングランド大会(Rugby World Cup 2015)で見せた勇敢な戦いぶりにより、ラグビーは野球やサッカーが人気を誇る国内で確かな地位を手にした。

 しかしながらブレイブブロッサムズ(Brave Blossoms、日本代表の愛称)は、2019年の母国開催となるW杯(Rugby World Cup 2019)を前に、イングランドで挙げた3勝を足場として大きな努力が必要となる課題に直面する。

 ジョーンズHCは30日に行われた記者会見で、「W杯の結果で取り戻したかった日本ラグビーのプライドを取り戻した。しかし、日本ラグビーが繁栄し続けるためにはきちんとした計画が必要だ」と語った。

「どうやって、人口400万人、羊100万匹がいるニュージーランドがあれほど素晴らしいラグビーチームを輩出できるのか?国内のすべてのチームがオールブラックス(All Blacks、ニュージーランド代表の愛称)の選手を輩出するために連動しているからだ」

「そういったことは日本にない。それが変わらない限り、2019年に8強入りすることは難しいだろう」

 2020年東京五輪のメーンスタジアムの計画が廃案となり、同競技場が使用される予定となっていた19年のW杯の開催権を失う危険性もあったなか、日本代表のW杯でのパフォーマンスは国全体に大きな刺激を与えた。

 日本は、初戦で南アフリカ代表から勝利を挙げて世界のラグビー界に衝撃を与え、さらにサモア代表を下して一発屋ではないことを証明した。

 W杯最後の一戦となった米国戦後、ジョーンズHCは「大会前は正直に言えば、取るに足らないチームだった」と語ったが、もはやそうではない。

 スコットランド代表に敗れたことで、ジョーンズHCが掲げていた準々決勝進出を逃したものの、1991年大会のジンバブエ代表戦で挙げた1勝がW杯唯一の白星だった日本にとっては、大きな進歩となった。(c)AFP