【10月30日 AFP】IPC陸上競技世界選手権2015(IPC Athletics World Championships 2015)で男子短距離2冠を達成した米国のリチャード・ブラウン(Richard Browne)は29日、リオデジャネイロ五輪の200メートルに出場して健常者と競いたいと語った。

 カタール・ドーハ(Doha)で行われた世界選手権の男子100メートル(T44クラス)でタイトルを獲得した直後、ブラウンは来年開催されるリオ五輪の米国代表選考会を目指していることを明かし、200メートルでは五輪決勝進出を果たす可能性を信じていると主張した。

 ブラウンは、「健常者並みのタイムで走って、健常者と競うことを心から望んでいる。米国の五輪選考会に出場する選手と走り、代表の座を争うこともできるだろう」と自信をみせている。

「義足の選手には不可能だと言われることに挑戦するつもりだ」

 ブラウンはAFPの取材で2016年の目標はリオ五輪とパラリンピックに出場することか問われると、「間違いない」と言いきった。

「米国は世界屈指の陸上大国だから、代表に選ばれることは難しい。200メートルの代表は19秒9、100メートルの代表は9秒8のタイムが要求されるが、僕は200メートルに集中する」

「(リオでは)決勝進出の可能性もあると考えている」

「オスカー・ピストリウス(Oscar Pistorius)が準決勝への扉を開き、自分がさらに先の扉をこじ開けたい。より短い距離だが、ライバルが大勢いるので競争は激しくなっている」

 米ミシシッピ(Mississippi)州出身で24歳のブラウンは、10代の時の事故で右脚を失った。

 今週行われた世界選手権で圧倒的な強さをみせたブラウンは、T44クラスの100メートルと200メートルの2冠を達成しただけではなく、100メートルでは10秒61、200メートルでは21秒27のタイムをたたき出して両種目の世界記録を樹立している。

 ブラウンは、2012年ロンドン五輪の男子400メートルに出場したピトリウスの前例が、健常者である選手に挑むことに対する批判をかわす手助けになると信じている。

「片脚のスプリンターだから議論の的になることは決してない。僕に関する限り、障害者であることを理由に何らかの抗議があるとは思っていない」

 ドイツの走り幅跳び選手、マルクス・レーム(Markus Rehm)もブラウンと同様のケースに当てはまる。

 ブラウンと同じく右脚に義足を装着しているレームは、カタールで衝撃の世界記録となる8メートル40の跳躍をみせた。

 この数字は、8月に行われた第15回世界陸上北京大会(15th IAAF World Championships in Athletics Beijing)の男子走り幅跳びで、グレッグ・ラザフォード(Greg Rutherford、英国)が優勝した際の記録にわずか1センチと迫るものだった。

 レームもリオ五輪の出場を望んでいるが、義足が有利に働いているとして陸上界では議論が巻き起こっており、挑戦の道は閉ざされるとみられている。レームは、この主張について否定している。

 ブラウンもレームを擁護しており、「彼は一生懸命に努力している。彼も世界最高の選手の一人なのだから、世界最高の選手と跳躍を競うのにふさわしいことは間違いない」とコメントした。(c)AFP/David HARDING