【10月30日 AFP】米海軍制服組トップのジョン・リチャードソン(John Richardson)作戦部長と中国海軍の呉勝利(Wu Shengli)司令官は29日、約1時間のテレビ会談を行った。南シナ海(South China Sea)では2日前、中国が建設中の人工島付近を米艦が航行していた。

 米国防総省のジェフ・デービス(Jeff Davis)報道官によると、会談では「航行の自由や、保留されている寄港予定、高官間の連絡、進行中の対話の維持の重要性を含む両国海軍間の関係」について話し合われた。

 米海軍のティム・ホーキンス(Tim Hawkins)報道官は、会談は「プロフェッショナルかつ生産的だった」としている。

 南シナ海では27日、米海軍のイージス駆逐艦「ラッセン(Lassen)」が、周辺国による領有権争いの的となっている南沙諸島(英語名:スプラトリー諸島、Spratly Islands)で中国が自国領土と主張している人工島のうち、少なくとも一つの12カイリ(約22キロ)内に進入。これに中国政府は激怒し、駐中国米大使を呼び抗議した他、「主権に対する脅威」と強く非難した。

 中国はこの人工島周辺を領海と主張しているが、米政府はこれを認めない意向を繰り返し表明している。同日にはある米当局者がAFPに対し、米海軍は人工島付近にさらなる艦船を派遣する方針だと明かした。(c)AFP