【10月29日 AFP】27日に行われた15MLBワールドシリーズ(7回戦制)第1戦で、父親の死を知らされずに先発登板したカンザスシティ・ロイヤルズ(Kansas City Royals)のエディンソン・ボルケス(Edinson Volquez)が、葬儀に参列するため母国ドミニカ共和国へ帰国した。

 自身初となるワールドシリーズでの登板となったニューヨーク・メッツ(New York Mets)戦で6イニングを投げたボルケスは、11月1日に行われる予定となっている第5戦に合わせてチームに再合流する予定となっている。

 ロイヤルズのネッド・ヨスト(Ned Yost)監督は、「エディ(ボルケス)は出発する直前に『ニューヨーク(New York)で会おう』と言っていた。第5戦に向けて準備万端でやってくることを期待している」とコメントしている。

 心臓疾患で父のダニエル(Daniel Volquez)さんを亡くしたことを知らされたボルケスは、動揺するなかで帰国した。幼いエディンソンに初めて野球のグローブを与えた父ダニエルさんの夢を実現した直後、ボルケスは訃報に接した。ヨースト監督は、ボルケスが試合から退くまでは訃報を伝えないようにしてほしいという家族の意向に従ったと明かし、「自分が知っている中で、彼の投球ぶりを見ているというのはつらいものだった。本当につらかった」とコメントしている。

 ロイヤルズは、ワールドシリーズ初戦としては最長、シリーズを通じても最長タイとなる延長14回の死闘で5-4と劇的なサヨナラ勝利を飾った。

 試合から退いたあと家族と面会し球場を早々に後にしたボルケスは、チームメートのアルシデス・エスコバー(Alcides Escobar)に「みんな、僕のために試合に勝ってくれてありがとう」とつづった電子メールを送信していた。

 ロイヤルズの二塁手ベン・ゾブリスト(Ben Zobrist)は「エディと彼の家族がその死を乗り越えていこうとするのだと思うと、勝ったとはいえ少し重苦しい。今はそれだけに気を配ってもらい、帰ってきたら彼を抱いて迎え入れるよ」と語っている。(c)AFP