【10月27日 AFP】2016年米大統領選挙の共和党指名候補争いで先頭を走る不動産王ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏は、自らの才知とビジネス手腕で富豪となった実業界の大物として高く評価されているが、事業を開始するに当たり、父親から「ほんの」100万ドル(約1億2000万円)の資金援助を受けたことを26日、明らかにした。

 トランプ氏は、米NBCテレビが北東部ニューハンプシャー(New Hampshire)州で主催した市民との対話集会で「簡単ではなかった。(事業は)ブルックリン(Brooklyn)から出発した。父から100万ドルという少額の融資を受けた」と語り、その融資は利子をつけて返済しなければならなかったと付け加えた。「ともあれ、私はマンハッタン(Manhattan)にやって来て、不動産の購入を始め、うまくいった」

 トランプ氏の父親はニューヨーク(New York)を拠点に一代で億万長者になった不動産界の巨人、故フレッド・トランプ(Fred Trump)氏だ。

 共和党の指名候補争いではこれまで保守的な有権者たちの支持が、大統領経験者の父と兄を持つジェブ・ブッシュ(Jeb Bush)元フロリダ(Florida)州知事を拒み、トランプ氏のような政界外のたたき上げの人物や、貧しい子ども時代を過ごした元小児神経外科医のベン・カーソン(Ben Carson)氏に集まっているだけに、今回のトランプ氏の発言はひんしゅくを買っている。

 コメントについてNBCテレビから質問を受けたトランプ氏は、自分の環境が平均的な有権者には恵まれたものに見えるかもしれないと認めた上で「だが(その)100万ドルと私が築いたものを比べるのはあまり適切ではない。つまり、私が築いたのは偉大な企業の一つだ。これは誰にでもできることではない」と強調した。

 トランプ氏は自らが持つ資産額を100億ドル(約1兆2000億円)と称しているが、米誌フォーブス(Forbes)は約45億ドル(約5400億円)と推定している。

 トランプ氏は世界中で事業を展開し、ホテルやゴルフコース、リゾートや豪華な高層住宅などを各地で開発している。(c)AFP