【10月20日 AFP】米紙ニューヨーク・ポスト(New York Post)は、10代のハッカーが米中央情報局(CIA)のジョン・ブレナン(John Brennan)長官の私用電子メールアカウントに侵入し、業務関連のファイルを多数盗んだと主張していると報じた。ハッカーは同紙にかけた電話で、米国人高校生を名乗り、極秘情報取り扱い許可の申請書や社会保障番号などを盗み出したと主張したという。

 米国ではヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)氏が国務長官時代に公務で私用メールを使っていたことで批判されており、今回の報道が事実ならCIAとブレナン長官にとっては大きな打撃となる。

 18日のニューヨーク・ポスト紙記事によると、インターネット大手AOLのブレナン長官の私用メールサーバーには、47ページに及ぶ極秘情報取り扱い許可申請書を含むさまざまな業務関連のファイルが保存されていたと、ハッカーは主張。また、ジェイ・ジョンソン(Jeh Johnson)国土安全保障長官のインターネットプロバイダーアカウントにも侵入し、ボイスメールを聞いたとも主張している。

 ハッカーは「ソーシャル・エンジニアリング」と呼ばれる手法で通信大手ベライゾン・コミュニケーションズ(Verizon)のスタッフをだまし、ブレナン長官の個人情報を入手した後、AOLにブレナン長官のパスワードを初期化させることに成功したと主張。また、ブレナン長官に電話をかけ、長官の社会保障番号を読み上げるいたずらも行ったという。

 この人物は、マイクロブログのツイッター(Twitter)に「@phphax」のアカウント名で、政府の情報とみられるデータの加工画像を公開し、当局をあざけるコメントを次々と投稿している。自身はイスラム教徒ではないが、米国の外交政策に反対し、パレスチナを支持していることを理由にハッキングを実行したと説明している。

 米CNNテレビは、米連邦捜査局(FBI)と大統領警護隊(シークレット・サービス、US Secret Service)がこの報道について調査を開始したと伝えた。(c)AFP