【10月16日 AFP】ドイツ自動車大手フォルクスワーゲン(VolkswagenVW)の排ガス不正問題で、同社は15日、欧州内で計850万台のディーゼル車をリコール(回収・無償修理)すると発表した。一方イタリア警察は同日、同社のイタリア子会社と、傘下のスポーツ車メーカー、ランボルギーニ(Lamborghini)の事務所を家宅捜索した。

 VWは声明で、欧州連合(EU)加盟全28か国での大規模なリコールを来年1月に開始すると発表。EU圏外の国々については、どの車両が影響を受けているか、引き続き調査中だという。

 VWはディーゼル車1100万台に、排ガス検査に不正合格できるようにするソフトウエアを搭載していたことが発覚して以来、創業以来最大の危機に直面している。

 これを受けて複数の国で捜査が始まり、イタリア警察も15日、同国のVW子会社の本社を家宅捜索するとともに、幹部6人に対する捜査を開始した。

 ベローナ(Verona)にあるVWイタリア本社と、ボローニャ(Bologna)にあるランボルギーニ本社に対する家宅捜索が始まる前には、同国の消費者団体がVW製の車を所有しているイタリア人1万2000人を代表し、同社を詐欺行為で訴える訴訟を起こしていた。

 VWは今月初めから、公式ウェブサイト上で車のナンバーを入力するだけでその車が不正の影響を受けているかどうかチェックできるサービスを提供している。また同じグループのアウディ(Audi)、セアト(SEAT)、シュコダ(Skoda)の各ウェブサイトにも、同様の機能が用意された。(c)AFP/Simon MORGAN