【10月14日 AFP】部屋の貸し借りを仲介するサービス「Airbnb(エアビーアンドビー)」が、ハロウィーン・シーズンに合わせてある不気味な企画を発表した──仏パリ有数の観光地で、人骨が所狭しと並ぶ不気味な地下墓地「カタコンブ(Catacombs)」での宿泊プランだ。

 公式サイトでは、ハロウィーンの夜に、同施設での宿泊を希望する1組を募集している。10月31日~11月1日にかけての宿泊プランには、ディナーやプライベートコンサート、朝食が付いている。もちろんベッドも用意される。

 宿泊プランの説明には、「就寝前にはカタコンブにまつわる『魅力的な物語』の朗読もあり、宿泊者は間違いなく悪夢を見る魔法にかけられるでしょう。そして死者たちとともに夜明けを迎え、パリのカタコンブで起床した経験を持つ、唯一の生きた人間になることができます」と書かれている。

 パリの市当局関係者は12日、カタコンブを営利目的で使用するためAirbnbが35万ユーロ(約4800万円)を支払ったことを確認している。

 カタコンブは、パリ市内の墓地にあった遺骨の移転場所として、18世紀末にその利用が始まった。移転は、墓地の遺骨が公衆衛生上の問題と考えられたために取られた措置だった。カタコンブの学芸員によると当時「(移転前の当時の埋葬方法をめぐっては)ワインの品質を落とし、チーズを腐らせるものと考えられていた」という。

 地下約20メートルにつくられたカタコンブは、毎年約50万人の観光客が訪れる。これまでにも映画の撮影やファッションショーに使われたことがある。(c)AFP