【10月10日 AFP】インド北部ウッタルプラデシュ(Uttar Pradesh)州でイスラム教徒の男性2人が、ヒンズー教国で神聖な動物とされる牛を解体したとの理由で暴徒に襲撃され、暴力に加担したとみられる男21人が逮捕された。

 10日のインド紙タイムズ・オブ・インディア(Times of India)などによると、9日に牛が解体されたといううわさが広まると、約500人が竹やりやこん棒を持って集まり、イスラム教徒たちの店に放火した。警察は催涙ガスなどを使ってこれを鎮圧した。暴徒に殴られるなどしたイスラム教徒男性2人は重傷を負い、病院で治療を受けている。

 事件後の調査で、この牛は病気などの理由で死んでからしばらく経っており、暴徒に襲撃されたとき、男性2人は皮をはいでいただけだったという。

 インドでは、ヒンズー至上主義のナレンドラ・モディ(Narendra Modi)首相が就任して以来、イスラム教やその他の少数派宗教に対する不寛容が増しているとして、物議を醸している。ウッタルプラデシュ州では最近も牛を食べたことを疑われたイスラム教徒の男性(50)が殺害されている。(c)AFP