【10月9日 AFP】リビア内戦の終結を目指して国連(UN)のベルナルディノ・レオン(Bernardino Leon)リビア特使が9日にモロッコで発表した挙国一致内閣案について、互いに対立するリビア2大政治勢力の双方が否定的な反応を示した。

 リビアでは首都トリポリ(Tripoli)がイスラム武装組織連合に掌握された昨年8月から、国内に2つの政権が併存する事態が続いており、国際社会から承認されている方の政権は東部トブルク(Tobruk)への退避を余儀なくされている。

 2011年に当時の最高指導者ムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)大佐の独裁政権が崩壊した後、リビア情勢は混迷を深めている。現在は議会が2つ存在し、互いにそれぞれの権限を主張して対立しているほか、豊かな天然資源をめぐって複数の武装勢力の攻防が続いている。

 レオン特使の発表について、トリポリを拠点とする政権の国民議会(General National Congress)のアブドルサラーム・ビラシャヒル(Abdulsalam Bilashahir)議員は英国放送協会(BBC)に「われわれは(提案された)内閣には関与していない。われわれにとって何の意味もないもので、事前の相談もなかった」と語った。

 トブルクの暫定議会のイブラヒム・アルザギアト(Ibrahim Alzaghiat)議員も「提案された内閣はリビアの分裂につながり、もの笑いになるだけだ。レオン氏の選択は賢明ではない」と述べたと伝えられている。

 だがレオン特使は、リビアの西部、東部、南部から1人ずつ副首相が入閣するとされる新政府は「成功できると信じている。リビアの人たちは国を救うために、この歴史的な機会をつかまねばならない」と述べた。(c)AFP