【10月10日 AFP】(記事更新)男子テニス、楽天ジャパンオープン(Rakuten Japan Open Tennis Championships 2015)は9日、シングルス準々決勝が行われ、大会第2シードの錦織圭(Kei Nishikori)は3-6、7-5、6-3で第6シードのマリン・チリッチ(Marin Cilic、クロアチア)を退け、連覇に向けて大きく前進した。

 昨年の全米オープン(US Open Tennis Championships 2014)決勝の再戦を見ようと会場に姿をみせた約1万2000人の観客は、錦織の一挙手一投足に熱い声援を送った。ニューヨーク(New York)で行われた大一番では錦織を破ったチリッチだが、最後は力強いショットでリズムを乱され、逆転負けを喫した。

 序盤から力強いサーブを次々にたたき込んだチリッチは、錦織のリターンを崩して、第1セットの第6ゲームでブレークすると、サービスエースでセットを先取した。

 しかし、2度の優勝経験がある東京のハードコートで、錦織は粘り強さを見せた。

 跳びながらのショットなどでチリッチのリターンミスを誘った錦織は、ストローク勝負で試合の主導権を握る。第3セットでは試合を一方的な展開に持ち込み、決定的なブレークで3-1とリードした錦織は、サービスエースで第9ゲームをキープし、2時間11分で試合に決着をつけた。同時に週末の列島は「錦織フィーバー」につつまれることになった。

 リターンのたびに歓声が上がるなどスター扱いの錦織は、練習を終えて移動する際に「動物園にいるライオンはこんな感じなんだな」という感想を抱いたという。

 風による難しさがあったと試合を振り返った錦織だが、「ワンチャンスを待っていた」という言葉通り、最後は相手の状態を崩して白星を挙げた。

 準決勝では、今年の全米オープン(US Open Tennis Championships 2015)1回戦で敗れたブノワ・ペール(Benoit Paire、フランス)と対戦することになる。錦織は先日の屈辱を晴らすと同時に、シーズン4つめのタイトル獲得に向けて、しっかり勝利を収めたいところだ。(c)AFP/Alastair HIMMER