■美容商品の需要も急騰

 同報告書は、美容商品が高視聴率の番組で紹介されたり、有名人に愛用されたりすると、他のアジア諸国、特に中国で「その特定の色味のコスメやスキンケア製品に対する需要が急騰」すると言及。

 韓国ドラマに登場して利益を得るのは、外国ブランドだけではない。韓国化粧品大手のアモーレパシフィック(AmorePacific)が開発した、「リキッド・ファンデーション」を含ませたスポンジの「クッション・コンパクト」もこのドラマで使用されたのをきっかけにアジアで大ヒット。その「クッション」技術を活用したいとする「ディオール」と同社は戦略提携を結んだ。

 英国を拠点とする消費者リサーチ企業スタイラス(Stylus)のソウル代表を務めるケイト・アン(Kate Ahn)氏は、韓国が、高級ブランドがアジア市場における消費者の行動心理を計る効果的な「足がかり」になっていると指摘し、「小国ながら、中国やその周辺市場に切り込む完璧なスタート地点になっている」と語った。

 近年では、韓国の化粧品メーカーへの投資を希望する欧米の企業から提案が相次いでいるという。「比較的小さい、ほぼ無名の化粧品メーカーにまで投資を申し出ている…多くのアジア女性、とりわけ中国人女性が韓国の美容トレンドを注視しているということを知っているからだ」(c)AFP/Jung Ha-Won