【10月5日 AFP】ローマ・カトリック教会のフランシスコ(Francis)法王は4日、バチカン(ローマ法王庁)で開いた世界代表司教会議で、結婚と異性愛カップルの重要性を強調した。前日にはポーランド人の神父が同性愛者であることを公表、バチカンの教義の改革を訴えて、物議を醸していた。

 360人の司教が集まり3週間にわたり続く同会議の開会に当たったミサで、法王は「孤独、男女の愛、家族」についての説教を行い、人間同士の関係を理解するための基盤として、旧約聖書の第1書である創世記(Genesis)に言及して以下のように述べた。

「これは、神の愛する創造物に対する夢である。互いの旅路を共有し、自身という贈り物を互いに与え合うことによって多くの実りを得る、男と女の間の愛にあふれた結びつきによって、その夢がかなうのを見ることだ」

「神は、愛し合う2人の心に加わる。(そして)共に調和と永続性をもって2人に加わる」

 今回の司教会議は、家族のあり方に関するカトリックの教義を見直す2度目で最後の会議。だが、開幕の前日、カトリックの教義順守を管轄するバチカン教理省(Congregation for the Doctrine of the Faith)に務めるポーランド人のクシシュトフ・ハラムサ(Krzystof Charamsa)神父(43)が同性愛を公表し、「教会内の制度化された同性愛嫌悪」を改革するための10項目の「解放マニフェスト」を発表する爆弾宣言を行ったことで、会議に影を落としていた。

 同性愛は、会議で話し合われる多数の議題のうちの一つ。カトリックの教義では同性愛は「内因性の障害」とされているが、先進的な神学者らは近年、性的指向は先天的との見解を示しており、この見解に基づけば、同性愛に厳しい反対の立場をとることは難しくなる。

 法王は、結婚と愛、性についての教会の現在の立場と、信者らの実際の日常生活との間にある大きな隔たりをなくすため、教会は慈悲を示すべきとの信念を持っており、これは今回の会議の議題の中心をなしている。

 具体例としては、現在事実上教会から疎外されている離婚・再婚した人々を受け入れ、罪の告解を認めるべきだとの声が上がっている。(c)AFP/Jean-Louis DE LA VAISSIERE