【10月2日 AFP】なんの変哲もない普通の買い物レシートが、もしかしたら新車に化けるかも――ポーランドで1日、こんな宝くじが新たに導入された。消費税の脱税を防ぐための政府の奇策だ。

 ポーランド財務省は「10ズロチ(約317円)の買い物した人なら誰にでも、自動車やタブレット型端末、ノートパソコンなどの賞品を獲得するチャンスがある」と説明し、消費者に宝くじのウェブサイトに登録するよう呼び掛けている。

 ポーランドの付加価値税(VAT、日本の消費税に相当)の税率は23%で、エコノミストによると脱税額は推計で年400億ズロチ(約1兆2700億円)に上るという。

 この「レシートくじ」は18歳以上が対象で、レシートをオンライン登録すれば参加できる。最初の抽選日は11月16日に予定され、1か月につき車1台とノートパソコン数台が賞品として当選者に贈られる。

 消費税納付の際の根拠となるレシートを正直に発行した小売店の店主も、そのレシートが当たりくじになれば、米アップル(Apple)のタブレット型端末「iPad Air 2(アイパッドエア2)」がもらえる。

 ポーランドは10月25日に総選挙を控えているが、レシートくじを導入したエバ・コパチ(Ewa Kopacz)首相率いる与党「市民プラットフォーム(Civic PlatformPO)」は、このところ支持率低下に悩んでいる。

 レシートを活用した同様の宝くじは、ポルトガルやマルタ、台湾でも導入されている。(c)AFP