【10月2日 AFP】サウジアラビア西部にあるイスラム教の聖地メッカ(Mecca)近郊で、大巡礼「ハッジ(Hajj)」の最中に発生した圧死事故は、発生から1週間が経過した現在も600人以上の安否が不明となったままだ。また、犠牲者の各出身国が発表した死者数を集計すると、サウジアラビアが発表した総数をはるかに上回っている。

 メッカの近郊ミナ(Mina)で9月24日、悪魔に投石する儀式を行っていた巡礼者らが犠牲になったこの事故について、サウジアラビアは、死者769人、負傷者934人と発表。しかし行方不明者数と、自国民の中に犠牲者がいたかどうかについては言及していない。

 死者の出身国は23か国に上り、各国の犠牲者数(大半が公式発表)を集計すると、死者は990人を超える。さらに、600人以上の安否が不明とされている。

 なぜこのようなずれがあるかは明らかになっていない。サウジアラビア保健省にコメントを求めたものの、今のところ回答は得られていない。

 中でも多くの犠牲者を出したのはイランで、9月30日の時点では死者239人と伝えられていたが、翌10月1日になってその数は464人と、ほぼ2倍に増加。イランはこの事故の責任はサウジアラビアにあるとして謝罪を要求するとともに、同国が遺体を帰国させる努力を阻害していると非難している。