【9月29日 AFP】四大大会(グランドスラム)で2度の優勝経験を持つ元女子テニス選手の李娜(Na Li、リー・ナ)さんが28日、競技から引退して1年が経過した今でも、キャリアに対する「後悔はない」と語った。

 33歳の李さんは、自身の功績により昨年からツアーに組み込まれた武漢オープン(Wuhan Open 2015)の会場で記者の質問に答えた。

 大会が新設された昨年、武漢(Wuhan)で涙ながらに引退を表明した李さんは、その後に第1子となる女児を出産し、公の場に出る機会が減った。

 李さんは、「正直に言いますが、プロ選手としての後悔はありません」とすると、「過去数年の間に、私の夢と目標はすべて達成されました」と続けた。

「自分のテニス人生を振り返って、本当に満足しています。すべてがスムーズにいったキャリアではありませんが、努力のかいあって、すべての夢と目標は達成されました。だから自分を誇りに思います」

 2014年の全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2014)を制し、自己最高の世界ランク2位に到達した李さんは、キャリア絶頂期に競技を退くことを決断した。

 今は中国で歓迎されている李さんだが、一時は中国のスポーツにおける体制を批判し、愛国心を欠くと苦言を呈した国内メディアとの関係が悪化していた。

 引退直後から、自身のテニスアカデミーを設立したいと話していた李さんだが、28日にはより具体的な内容を明かし、自身が提唱するトレーニングは、国内で広く取り入れられる厳しいだけのプログラムとは一線を画すと述べた。

「今の私にとって一番大事なのは、娘とテニスアカデミーの設立です。アカデミーは、プロ向けのものだけではありません」

「テニスのことをもっとよく知って、遊べるような場所を作りたいんです。私がやっていたころは、楽しい思い出があまりありませんでしたから」

 また、6月に誕生した娘のアリサ(Alisa)ちゃんに夢中になっているとしながらも、ときにはWTAツアーが恋しくなることがあると話している。

「戦いが恋しくなることもありますね。私が唯一恋しいもの、それはコートです」

(c)AFP