【9月27日 AFP】庭に鳥の餌を置く英国の習慣が、渡り鳥の移動パターンの変化に影響を及ぼしているとする研究結果を、英国鳥類学協会(British Trust for OrnithologyBTO)が24日、発表した。

 ドイツ南部とオーストリアで繁殖するズグロムシクイは、冬には温暖なスペイン南部に渡る習性があるが、BTOによると英国に移動する個体が増えている。

 研究は12回の冬を通じて行われ、ボランティア1万4000人以上が庭に餌を置き、鳥の飛来を観察した。研究主任のケイト・プラマー(Kate Plummer)氏は英BBC放送に対し「鳥に餌を与えることが、ある鳥の種の一国全体での分布に影響を及ぼすことが初めて示された」と語った。

 また、BTOは声明で「気温と補助的な餌が、ズグロムシクイによる(ある地域の)利用率に影響を及ぼしている強い証拠」を発見したことを付け加えた。この数十年で英国の冬は「より温暖」になっているが、この渡りのパターンの変化はすでに遺伝子に組み込まれているという。ズグロムシクイは英国では、1950年代以前にはほとんど観察されなかったが、過去60年間で個体数が急速に増加している。(c)AFP