【9月25日 AFP】米アップル(Apple)が新型スマートフォン「iPhone 6s」と「iPhone 6s Plus」を日本など世界各国で発売した25日、香港(Hong Kong)の労働団体が、中国のiPhoneの部品供給企業1社の工場従業員が搾取されているとして、抗議活動を行った。

 抗議活動を行ったのは香港の労働団体「企業の誤った行動に対する学生と学者たち(Students and Scholars Against Corporate MisbehaviourSACOM)」。タッチスクリーンのガラスを製造・供給する企業、藍思科技(レンズ・テクノロジー、Lens Technology)の3工場について数か月にわたって調査した結果、同社の従業員に対する残業の強制や賃金の未払いに加え、従業員の健康が脅かされている実態が明らかになったとしている。


 中国南部の湖南(Hunan)省を拠点とする同社は、工場労働者だった周群飛(Zhou Qunfei)氏が創業。今年3月に同社が深セン(Shenzhen)の株式市場に上場すると、同氏は中国の女性としては一番の富豪になった。

 SACOMはアップルに対し、「サプライチェーンにおける搾取を是正する対策をすぐに取る」よう求めるとともに、同社では従業員らが1日の休日もなく1か月間連続で勤務し、給料が数週間支払われず、会社側が社会保険料を支払っていないなどと指摘し、「粉塵や騒音、汚染水や化学物質などは、工場の作業現場でよく見られる問題になっている」と付け加えた。

 25日朝、香港にあるアップルの大型店の一つでは、店の前に約10人のデモ隊が集まり、「悪いリンゴを捨てろ」と書かれた大きなiPhoneの形のプラカードを掲げた。しかし、事前予約していた数百人の客の大半は特に関心を示すことなく通り過ぎて行った。(c)AFP