【9月25日 AFP】シンガポールでは25日、隣国インドネシアのスマトラ(Sumatra)島の野焼きによる煙害で大気汚染指数が「危険」な水準に達し、緊急対策として全ての学校が休校となったほか、市民にマスクが配布された。政府はインドネシアの対応を批判している。

 シンガポールはほぼ毎年、スマトラ島で野焼きが行われる季節に煙害に悩まされているが、今年は約3週間にわたって街が茶色い煙に覆われ、2013年以来最悪の被害が出ている。

 25日に休校となったのは小学校と中等学校(中学・高校)、国営幼稚園の全てで、日刊紙ストレーツ・タイムズ(The Straits Times)はこれまでにない規模だと伝えた。大気汚染指数は「危険」とされる数値300を超えた状態が続いている。

 大気汚染指数の上昇と同時に関係国間の緊張も高まっている。

 インドネシア当局は問題解決に向け対策を取っていると発表しているが、シンガポールのK・シャンムガム(K. Shanmugam)外相は24日、 「インドネシアの高官たちから、幾つかの衝撃的な発言を聞いている。シンガポール国民やインドネシア国民を完全に軽視した発言だ」と、SNS最大手フェイスブック(Facebook)に投稿。インドネシア当局が問題を軽く扱っていると非難した。

 シャンムガム外相は発言者の高官名を明らかにしなかったが、インドネシアのユスフ・カラ(Jusuf Kalla)副大統領は最近、今年3月に自らが口にした「11か月間も素晴らしい空気を満喫しておきながら、彼らは一度も我が国に感謝したことはない」との発言を繰り返し、1年の大半はきれいな空気の恩恵を得ていることに周辺国は感謝するべきだと述べて物議を醸している。(c)AFP