【9月25日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)に参戦するマクラーレン・ホンダ(McLaren-Honda)のジェンソン・バトン(Jenson Button)は24日、引退の可能性が報じられる中で元世界王者としてレースを走る喜びは消え去ったと語った。

 不振にあえぐマクラーレンとの契約延長が締結に至らなかったという臆測への裏付けを拒否したバトンは、報道陣に対して、「私は14位や、10位でレースを終えたくはない。そんな成績では喜べない」とコメントした。

 2009年に年間王座を獲得した35歳のバトンは、信頼性に欠けるホンダエンジンによって大きないら立ちに悩まされるシーズンを送っており、前週の第13戦シンガポールGP(Singapore Grand Prix 2015)ではリタイアを余儀なくされた。

 鈴鹿サーキット(Suzuka Circuit)で行われる第14戦日本GP(Japan Grand Prix 2015)に臨むバトンは、「優勝争いができない状況で喜べるドライバーはいない」とすると、「勝利を目指してここにいるのであり、前で戦いに挑むことをこよなく愛しているんだ」と強調した。

 バトンはまた、「来年は何が起こるか見通しは多く、たくさんの可能性がある」としながら、「だけど、前回のレース以降では他に言えることはない。これ以上の情報は明かせないから、もう少し待ってもらうしかないね。申し訳ないけど」と続けた。

 マクラーレンが危機に直面する中、ロン・デニス(Ron Dennis)最高経営責任者(CEO)との話し合いが期待通りに進展していないため、バトンが16年のキャリアに幕を閉じる可能性が浮上してきた。バトンは、ブラウンGP(Brawn GP)時代に世界王者に輝き、通算278レースで15勝を記録している。

 2000年にウィリアムズ(Williams)でF1デビューしたバトンは、自身と同僚のフェルナンド・アロンソ(Fernando Alonso)に提供される来季の新型マシンについて明らかな改善の兆しがみられていないとはいえ、マクラーレンの問題は解決に向かっていると主張する。

 バトンは肩をすくめながら、「チームと私自身の話し合いは、良好に進んでいる。それは確かだ」と明かし、「将来に目を向けてみれば、喜びが戻ってくる可能性はある。しかし、シンガポールGPの結果は、まったく喜べなかった」と語った。(c)AFP