【9月24日 AFP】地球は誕生初期、1億年間絶え間なく続いた隕石(いんせき)の衝突にさらされた結果、化学組成が永久に変化した可能性があるとする研究結果が23日、発表された。

 太陽系が誕生して間もない時期に次々と地球に衝突した隕石は、表面の地殻を引きはがし、岩石惑星である地球の組成そのものを変えてしまった。

 英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズ(Nature Communications)に掲載された研究論文によると、コンドライト(球粒隕石)と呼ばれるこれらの古代の隕石は、地球の体積を増大させていたという。これは惑星形成で、物質が重力によって引き込まれる降着が起きる過程に似ている。

 この激しい隕石衝突にさらされた期間には、地球は次々と隕石の衝突を受ける中でかなりの量の地殻を失った一方、正味の質量には増加がみられた。

 今回の研究は、初期地球の構成要素となった隕石の組成と現在の地球の化学的特徴をめぐる謎を解明するための、長年にわたる科学的探求における最新の成果だ。

 約47億年前の誕生初期の地球は実際に、コンドライトの中の少なくとも1種類(エンスタタイト・コンドライト)と同じ化学組成を持っていたと、最新研究は示唆している。

 だが、長期間にわたる隕石衝突は、地球自体の化学的特徴を変化させた。

「地殻の生成と衝突浸食が繰り返し起きたことで、大量のケイ素が除去された結果、現在観測されるような、相対的にマグネシウムが富む組成になった」と研究チームは結論付けた。

 フランス国立科学研究センター(National Centre for Scientific ResearchCNRS)のアスマ・ブジバール(Asmaa Boujibar)氏と共同研究者らは、自説を検証するために室内実験とモデル化を行った。

 研究チームは、複数の異なる圧力下でコンドライトを融解させ、地球の原始地殻ができた条件を再現した。

 今回の実験結果により、最終的に冷えて地殻となった溶岩の組成を説明できると論文は結論付けている。(c)AFP