【9月23日 AFP】映画「007」シリーズの主人公ジェームズ・ボンド(James Bond)からお墨付きを得たウオツカが、その売り上げをさらに伸ばすことになりそうだ──。映画「007」シリーズ最新作『スペクター(SPECTRE)』の公開を間近に控え、一風変わった研究論文が22日に発表された。

 シリーズ最新作『スペクター』でボンド役を務めるのは、おなじみダニエル・クレイグ(Daniel Craig)さん。最新作でもその「飲みっぷり」は健在なようだ。

 英食品業界誌「グローサー(The Grocer)」に掲載された論文よると、2006年公開の『007 カジノ・ロワイヤル(Casino Royale)』でデビュー以来、クレイグさん演じるボンドは、映画1本につき平均20ユニットのアルコールを摂取しているという。(訳注:ユニットは純アルコール量の単位)

 一方、歴代ボンドの1作品あたりのアルコール摂取量は、ピアース・ブロスナン(Pierce Brosnan)さんが平均12ユニット、ショーン・コネリー(Sean Connery)さんが11ユニット、ティモシー・ダルトン(Timothy Dalton)さんが4~5ユニットだった。

 論文はまた、「ジンが復活し始めたタイミングと『007 カジノ・ロワイヤル』でクレイグさんがぴったりとした水着姿で海から出てきたタイミングとがほぼ同じなのは偶然ではない」と述べ、 この世界的に有名な映画と近年のジンの売り上げ増加とがリンクしていることにも言及した。

 論文は、「『カジノ・ロワイヤル』では、おなじみのウオツカ・マティーニではなく、ヴェスパー・マティーニ(ジン・ウオツカ・ベルモット酒)を3杯飲んでいる。続く『007 慰めの報酬(Quantum of Solace)』では6杯だ」とボンドのお気に入りの酒が以前とは違うことにも触れながら、クレイグさんが「ジンをかっこよく見せることに一役買った」と結論付けている。

 一方、クレイグさん自身は米誌エスクァイア(Esquire)とのインタビューで、ボンドのパーティー三昧のライフスタイルには賛成しかねるとし、そこにはボンドが抱えている「悲しみ」があるとコメントしている。

 映画『スペクター』は、来月の英国でのプレミア上映後、各国で順次公開される。(c)AFP