■進んだ耐震化、防災教育にも力

 2010年の時点でも、既にこれらのシステムを導入していたことから、首都サンティアゴ(Santiago)の建物のうち損壊したものは0.3%にとどまった。今週の地震はサンティアゴの北約228キロで発生し、サンティアゴ市内の建物は揺れたものの目立った被害は受けなかった。

 全国的にみても、大きな被害を受けたのはおおむね木材や突き固めた土で作った軽量構造の建物だった。

 チリ当局は、今回の地震の被害による経済的損害をまだ発表していないが、5年前の300億ドル――チリの国内総生産(GDP)の18%に相当――には及びそうにない。

 また、チリ緊急災害対策庁(ONEMI)も、避難訓練をたびたび行い、学校を訪ねて地震のシミュレーションを実施するなどして、国民の防災教育に力を入れている。(c)AFP/Paulina ABRAMOVICH