■情報当局にとっての悪夢

 シュエ氏は、ISには戦闘員を飛行機に乗せて欧州に送り込むだけの資金的余裕があり、それに必要なパスポートなども用意できると説明。さらに、「ISはあらゆる資源を持っており、われわれの居住区から愚か者を3人探し出し事件を起こさせることはいつでもできる」と話した。

 だが、過激派潜入への警戒によって、確認されている危険人物の追跡ですでに手いっぱいの治安当局の負担がさらに増す可能性は高い。ヘンマン氏は「大挙して押し寄せる難民の数の多さに加え、彼らの身元についてほとんど情報がないことを考えれば、負担がどれほど大きいものか分かるだろう」と述べた。

 情報活動関連の仏シンクタンク「CF2R」のエリック・デネセ(Eric Denece)氏も、過激派潜入の恐れを誇張すべきでないとの考えだ。デネセ氏は、「欧州の囲い込みを狙う」反移民政党などによって、潜入説が利用される可能性もあると指摘。「潜入の恐れを誇張するのは全く愚かなことだが、それを完全に否定するのも間違いだろう」と語った。(c)AFP/Michel MOUTOT and Fran BLANDY