【9月16日 AFP】米カリフォルニア(California)州で猛威を振るっている山火事が、同国の「国宝」ともみなされているジャイアント・セコイア(学名:Sequoiadendron giganteum)の古代巨木群を脅かしている。国立公園当局が15日、明らかにした。

「ラフ・ファイア(Rough Fire)」と呼ばれる、同州北部から中部にわたって12件あまり発生している過去最大級の山火事は、ここ数日で有名な巨木群に迫っており、セコイアを守るために消防隊が緊急出動する事態となっている。

 国立公園局の広報担当、マイク・テューン(Mike Theune)氏は、AFPの取材に「山火事は、キングズ・キャニオン国立公園(King's Canyon National Park)とセコイア国立森林公園(Sequoia National Forest)にある多数のセコイアの林に向かって広がっている」と述べ、現在、セコイアへの影響を最低限に抑えるための予防措置を講じていることを明らかにした。

 特に懸念されているのが、世界第2位の樹高81.6メートルを誇るセコイアの巨木「ジェネラル・グラント(General Grant)」だ。テューン氏によると、消防隊は24時間体制でこの木の監視を続けており、木への放水や、周囲の整地などを行っている。また、樹高世界第6位の「ブール・ツリー(Boole Tree)」の周囲にもスプリンクラー装置が設置されたという。

 世界中から観光客が集まる主要観光名所の1つとなっているセコイア林は、小規模の山火事がその繁殖に不可欠とされているが、今回の山火事が発しているような極度の熱は、セコイアが対処できるレベルを越えている。

 米森林局(US Forest Service)によると、キングズ・キャニオンおよびセコイア国立公園近隣でのラフ・ファイアによる延焼面積は約13万9000エーカー(約563平方キロ)に及んでいる。現場には消防隊員3700人以上が動員されており、これまでに封じ込めに成功したのは約40%という。(c)AFP