【9月15日 AFP】リオデジャネイロ五輪組織委員会のカルロス・アルトゥール・ヌズマン(Carlos Arthur Nuzman)会長は、ブラジルの深刻な景気後退と政治危機が大会に影響を及ぼすことはなく、開幕までの大仕事は順調に進んでいると主張している。

 ヌズマン会長は、フォルタレーザ(Fortaleza)でAFPの取材に応じ、「大会を控え、組織委員会と選手の準備状況は(この危機で)何ら影響を受けていない」と述べた。

「すべてスケジュール通りだ。先を急ぎたくなることもあるが、しっかり整備しなければならないので焦ってはいけない」と強調したヌズマン会長は、サッカーW杯ブラジル大会(2014 World Cup)の準備が混乱を極めたことについては過去の出来事としている。

 元バレーボール選手で五輪に出場した経験もあるヌズマン会長は、「われわれはW杯を見習うのではなく、多くの五輪を参考にしている」とコメントした。

 ブラジルでは現在、急激な景気悪化に加えてジルマ・ルセフ(Dilma Rousseff)大統領の政権運営が危機を迎えており、国営石油会社ペトロブラス(Petrobras)をめぐる大規模な贈収賄疑惑は、五輪の準備にたずわる大手建設会社にも大きな打撃を与えている。

 ヌズマン会長は、今回のスキャンダルが大会の妨げになる危険はまったくないとし、「計画が行き詰まっているものは一つもないし、準備は毎日順調に続けられている」と語った。

 また、セーリングやウインドサーフィンの競技会場となっているグアナバラ湾(Guanabara Bay)で水質汚染が問題になっていることについても、懸念には及ばないとしている。

 ヌズマン会長は汚水まみれのグアナバラ湾について、「われわれは水質の浄化に努めており、これまでの細菌検査で問題は見つかっていない」としている。

 しかしながら、ヌズマン会長は予定されているウイルス検査は実施されていないと述べると、水質改善をアピールにするために自ら水に飛び込むことを迫るメディアの圧力についても一蹴した。

「私が湾に入ったり水を飲んだりすることを求める声があるが、そういう問題ではない。私が望んでいるのは、最善を尽くしてアスリートたちに必要なコンディションを整えることだ」