【9月15日 AFP】国際サッカー連盟(FIFA)の汚職疑惑を捜査しているスイスのミヒャエル・ラウバー(Michael Lauber)検事総長は14日、捜査に関連してアルプス(Alps)にあるマンションなどの資産を差し押さえたことを明らかにし、捜査は「ハーフタイム」にはまだ至っていないと警告した。

 スイス・チューリヒ(Zurich)でロレッタ・リンチ(Loretta Lynch)米司法長官と共同会見を開いたラウバー検事総長は、広範囲で行われている捜査は完了にはまだ程遠いと説明。このたび新たに「スイス・アルプスの不動産をはじめとする資産」を差し押さえた他、複数の家宅捜索や大量の電子データの押収、121の銀行口座の確認を行ったことも明らかにし、「明らかに、われわれはまだハーフタイム休憩には程遠い」と述べた。

 米司法省は今年5月、世界サッカー界の内部に数十年にわたってはびこってきた大規模な贈収賄に関与したとして、14人を起訴。同時にスイス当局は、2018年と2022年のサッカーW杯の開催地選定をめぐる捜査を開始した。一方でスイス当局は、最終的に刑事責任を問う可能性のある個人の名前は公表していない。

 FIFA監査・コンプライアンス委員会のドメニコ・スカラ(Domenico Scala)委員長は6月、2018年と2022年のサッカーW杯開催地にそれぞれ選ばれているロシアとカタールについて、入札時に贈賄の事実があったことを示すはっきりした証拠が見つかった場合、開催権の剥奪も辞さない考えを示していた。

■米でさらなる起訴の見込み

 スイスの捜査とは別に行われている米国内の捜査では、これまでにFIFA元関係者9人とスポーツマーケティングの企業幹部5人が起訴されている。

 リンチ司法長官は、5月にこれら14人の起訴を発表した際、事件はさらに広がるとの見解を示していたが、14日の会見では、より多くの関係者の起訴が見込まれていると明言した。一方で、苦境に立たされているジョセフ・ゼップ・ブラッター(Joseph Sepp Blatter)会長(79)が起訴される見込みに関する言及は避けた。(c)AFP/Ben SIMON