【9月29日 AFP】8月のある暖かい夕方、マドリード(Madrid)にある日焼けサロンからは、こんがりと肌を焼いた客が途切れなく出てきていた──日焼けに対する欲求は、太陽が降り注ぐここスペインでさえ、依存症につながりえる問題となっている。

 同国の気象庁によれば、マドリードの平均年間日照時間は2749時間。英ロンドン(London)の2倍だ。だが、大学生のマカレナ・ガルシアさんは、それだけでは飽き足りず、さらなる紫外線を求めている。

「家族からは、そんなの不健康だと嫌がられています。でも、家族はビーチの近くに住んでるんですよ!私はこの街で働いているし、日焼けもしたい」と、ガルシアさんはマドリード中心部にある日焼けサロン「ソルマニア(Solmania)」を後にしながら語った。

 ガルシアさんだけではない。ハンサムなダンサー、ホセ・マヌエル・ロドリゲスさん(36)は、同サロンを週3回訪れることもある。「肌の自然な小麦色をキープするため」だという。

 スペイン皮膚科学学会のホセ・カルロス・モレノ(Jose Carlos Moreno)氏は、日焼けに対するこうした欲求を依存症だと言い切る。「彼らはどれだけ日焼けしても満足しない」。それはまるで、どれだけ痩せても「太り過ぎだと思い込んでしまう拒食症」に似ていると、同氏は指摘する。

 研究の被験者から割り出した「日焼け依存症」患者の典型は、女性を中心とした40歳未満の人々で、過度なオレンジ色やチョコレート色の肌を手に入れるために、週に3回以上肌を焼く。