【9月13日 AFP】中東などから大勢の移民・難民が押し寄せている欧州各国で12日、難民らの受け入れ賛成派と反対派がそれぞれデモを行い、合わせて数万人が参加した。

 最近の移民・難民の流入は、第2次世界大戦(World War II)以降最大規模の人の移動となっており、欧州各地で対応を急ぐ動きが見られる。こうした中、欧州連合(EU)加盟28か国の間では、この問題をめぐる深い溝が官民双方で浮き彫りになっている。

 英ロンドン(London)市内では数万人規模の参加者が、「難民の命は重要」「不法な人間はいない」などと書かれたプラカードを掲げて行進した。労働党の新党首に選出されたばかりのジェレミー・コービン(Jeremy Corbyn)氏が演説に立ち、「絶望の淵で安全な生活の地を求め、社会に貢献する意思があり、われわれと変わらない人々を支援するため、心と頭を開こう」と呼び掛け、参加者らから歓声が起きた。

 デンマークのコペンハーゲン(Copenhagen)では約3万人が、亡命希望者らとの連帯を表明。スペイン・マドリード(Madrid)やドイツ・ハンブルク(Hamburg)でも、同様のデモが行われ数千人が参加した。

 また、ドイツ・ベルリン(Berlin)のデモでは、参加者らが「難民歓迎」の文字が入ったシリア国旗を掲げた。このほか、スウェーデン・ストックホルム(Stockholm)とフィンランド・ヘルシンキ(Helsinki)、ポルトガル・リスボン(Lisbon)でもデモが行われ、1000人前後の参加者を集めた。

 その一方、東欧諸国では移民・難民の流入に反発する人々によるデモがあり、数千人が参加した。ポーランド・ワルシャワ(Warsaw)のデモは5000人近い参加者を集め、祈りによって集会が始められたことからその多くがカトリック教徒であるとみられる。その後参加者たちは「イスラム教は欧州を破滅させる」などと唱和した。

 チェコ・プラハ(Prague)やスロバキア・ブラチスラバ(Bratislava)でも数百人規模のデモがあり、「歓迎しない、帰れ」と書かれた横断幕などが掲げられた。(c)AFP/Robin Millard with Eric Randolph on the Hungary/Serbia border