【9月12日 AFP】(一部更新、写真追加)豪雨による大規模な水害に見舞われた茨城県常総市を12日午前、安倍晋三(Shinzo Abe)首相が視察した。依然、十数人が行方不明となっており、救出作業は時間との闘いになっている。

 数十年ぶりの記録的な豪雨となった人口約6万5000人の常総市では10日、鬼怒川の堤防が決壊し、約32平方キロが浸水した。浸水した建物内に今も取り残されている人たちを救助するため。警察や自衛隊、消防隊約2000人が出動している。立ち往生している人たちの多くは、浸水した病院に閉じ込められている患者と医療従事者だと報じられている。

 11日には宮城県でも川の堤防が決壊し、居住地域に水があふれ出したが、住民の多くはすでに避難していた。

 行方不明者の数は、警察が一部の人の所在を確認したことから、先に発表されていた22人から15人に減った。所在が確認された人の中には8歳の子ども2人もいた。子ども2人がどこにいたかは明らかにされていないが、行方不明になっていた人の一部は浸水した建物から動けなくなっていたものとみられる。

 これまでに常総市の北にある栃木県鹿沼市で、地滑りにより63歳の女性が死亡した。また宮城県では48歳の女性が遺体で発見された。栃木県日光市では、排水管の詰まりを取り除く作業中だった25歳の男性が亡くなった。12日になって宮城県で男性1人の遺体が見つかった。身元は明らかにされていないが、行方不明になった62歳の男性ではないかとみられている。今回の水害で死亡した人は4人となった。(c)AFP/Harumi OZAWA