■抜き打ちの薬物検査で明らかに?

 USADAはまた、メイウェザーがNSACの規定に従い治療目的使用の適用措置(Therapeutic Use Exemption、TUE)による点滴を申請し、それが承認されたと主張している。

「メイウェザー氏の点滴については、当時のNASC規定に抵触するものではなく、現在の同規定に違反するものではない」

 USADAの声明では、メイウェザーがUSADAのプログラムに自発的に参加し、同機関の規則を順守するために正式にTUEによる注入を申請していたとしている。

 USADAはまた、申請が世紀の一戦の後まで認められていなかったものの、メイウェザーが「投与される前に点滴をUSADA側に開示した」ともしている。

 SBネーションは、「世紀の一戦」前夜に、抜き打ちの薬物検査のためにUSADAの職員がメイウェザーの自宅を訪れたことで、その点滴が明らかになったと報じている。

 また同サイトは、点滴は生理食塩水とビタミンが混ぜ合わされたもので、これは脱水症状に対処するため投与されるものだとしている。問題の生理食塩水もビタミンもWADAの規則としては禁止されていない物質だが、これを静脈内に投与することは違反と規定されている。

 WADAのガイドラインによると、静脈への点滴(注射)は、運動能力向上剤の使用を覆ったり、血漿(けっしょう)量を増加させたり、アスリートのバイオロジカルパスポートの基準をゆがめるたりするため、禁止されている。

 USADAはその後AFPに対し、メイウェザーがTUEを取得していたためWADAの規則には違反していないとコメントしている。

 SBネイションは、「ボクシングはUSADAを信頼できうるか?」と見出しを付けた記事で、USADAのボクシング界での記録について幅広く批判している。(c)AFP