【9月6日 AFP】米国の技術系大手企業の典型的な社員は白人またはアジア系の男性で、昨年各社が公表した多様性についてのリポート公開時からほとんど変化していない。米業界各社の労働力に関するデータからは、性別については世界的な傾向と同様だが、人種については米国の限定的な傾向があることが分かる。

 米グーグル(Google)では2015年1月時点で、社員全体の70%が男性と、前年から変化がなかった。さらに純粋な技術職ではこの比率が82%に高まった。一方、人種構成比では社員の約60%が白人で、約31%がアジア系だった。

 グーグルは昨年黒人とヒスパニックの雇用を強化したものの、社員全体に占める割合はそれぞれ2%、3%と変わらなかった。今年は多様性の改善に向け、1億5000万ドル(約178億円)を投じて大学生の採用に力を入れる方針だとしている。

 また、アップル(Apple)のティム・クック(Tim Cook)最高経営責任者(CEO)によると、同社は昨年、女性と黒人、ヒスパニックの採用を50%余り増やし、過去最高となる1万5900人の増員を実施。クックCEOは「やるべきことはまだまだある」と述べている。

 6月末時点でアップルの男性社員の比率は69%と、昨年夏の70%とほぼ同じ。技術職では79%に達した。また、人種別で白人の比率は54%、アジア系は約11%。アップルでは他社と比較して、ヒスパニックと黒人の比率が相対的には高いものの、ヒスパニックは11%と昨年と変わらず、黒人は8%と1%増にとどまった。

 交流サイト大手のフェイスブック(Facebook)は、女性のシェリル・サンドバーグ(Sheryl Sandberg)氏がナンバー2の執行役員を務めているものの、社員の男性比率は5月下旬時点で68%と依然高く、昨年からは1%の減少にとどまった。技術職に限定すると、この比率は84%に達した。また白人の比率は55%と前年から2%減少した一方、アジア系の比率は2%上昇し、36%となった。ヒスパニックと黒人の比率はそれぞれ4%と2%で横ばい。

 フェイスブックは2003年以来、米ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)の「ルーニー・ルール(Rooney Rule)」に沿って、人員採用の際に少数派の候補者を最低1人含める試みを度々実施しており、投稿サイトのツイッター(Twitter)や画像収集管理サイトのピンタレスト(Pinterest)もこれを試験的に行っている。(c)AFP/Sophie ESTIENNE